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越前武士

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斎藤実盛

斎藤実盛

福井県出身、埼玉県に本拠地を持つ武士。

能「実盛」、歌舞伎・浄瑠璃「実盛物語」といった古典芸能の世界で存在感を放つ武士。幼い日に父を殺された義仲を保護し信濃へ送った。その後平家に仕え義仲の軍勢と戦い命を落とした。

■実盛の出身地坂井郡丸岡町長畝、敦賀市縄間、加賀市長井町など諸説あるが、鯖江市南井の斎藤家はその後裔と伝えられる。

「帰鴈記」には「南井の里は斎藤別当が古郷なり、屋敷の跡今もあり、

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稲津

稲津

稲津新介実澄
福井県福井市稲津
北陸(越前)武士 斎藤氏

藤原景実の子。燧合戦以降、北陸の所合戦で名前が見える。

 越前は都に近く、同じ斎藤氏の林氏・富樫氏が義仲軍に加わっても、越前武士は平家方についていた。養和元(1181)年七月下旬に能登・加賀などで一国規模の反乱がおこり目代が追放されると、八月十五日に若狭と越前に平家の軍勢がやってきた。九月一日、平家軍は越前国府(越前市)に入ったが、加賀

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平泉寺長吏斎明(斉明)

平泉寺長吏斎明(斉明)

平泉寺斎明(斉明)
福井県勝山市平泉寺
平泉寺威儀師 斎藤氏

 越前斎藤氏は代々越前の大寺院・平泉寺に子息を送って影響力を保っていた。越前は都に近く平家の直接支配下にあり、斎明は同族の稲津と共に平家方について戦っていたが、加賀の人々が反平家の兵をあげ攻めてきたのを見て、義仲方に寝返った。
 義仲方に加わってからは主要武将格となり、燧合戦では筆頭に書かれる存在だった。ところが斎明は無情に戦局を冷静

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