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伝承の館(福井編)

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#源平合戦

河上城

寿永二年(一一八三)四月、平泉寺長吏斎明の裏切りで源氏方の燧城が落とされ、北陸武士は河上城に転戦した。山腹に南北にわたって深さ三メートルほどの堀跡が二条残っているという。

福井県坂井市丸岡町河上

平泉寺長吏斎明(斉明)

平泉寺長吏斎明(斉明)

平泉寺斎明(斉明)
福井県勝山市平泉寺
平泉寺威儀師 斎藤氏

 越前斎藤氏は代々越前の大寺院・平泉寺に子息を送って影響力を保っていた。越前は都に近く平家の直接支配下にあり、斎明は同族の稲津と共に平家方について戦っていたが、加賀の人々が反平家の兵をあげ攻めてきたのを見て、義仲方に寝返った。
 義仲方に加わってからは主要武将格となり、燧合戦では筆頭に書かれる存在だった。ところが斎明は無情に戦局を冷静

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稲津

稲津

稲津新介実澄
福井県福井市稲津
北陸(越前)武士 斎藤氏

藤原景実の子。燧合戦以降、北陸の所合戦で名前が見える。

 越前は都に近く、同じ斎藤氏の林氏・富樫氏が義仲軍に加わっても、越前武士は平家方についていた。養和元(1181)年七月下旬に能登・加賀などで一国規模の反乱がおこり目代が追放されると、八月十五日に若狭と越前に平家の軍勢がやってきた。九月一日、平家軍は越前国府(越前市)に入ったが、加賀

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