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義仲ものがたり

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の進度に合わせて公開していく、義仲館オリジナル義仲ストーリー。600か所以上に及ぶ伝承地をふまえた独自の展開をお楽しみください。 〇合戦を中心に語る… もっと読む
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2022年3月の記事一覧

行家ものがたり⁉② 1181年3月

(遂に時代の主人公であるワシが出陣する時が来たようじゃ!)

彼は盛り上がっているのを通り越して、一人でイっちゃっている。
まぁ無理も無い。
彼にとってはおよそ二十一年ぶりの出陣なのであった。

彼はこの一年、とても忙しく活動していた。それまでの約二十年間、ほとんど何もしていなかったのと対象的に。だが、この一年忙しかったのは別に彼だけでは無かった。

■ 「義仲戦記」「義仲ものがたり」とは独立で読

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義仲ものがたり #11

注・「義仲戦記2横田河原合戦」は「義仲ものがたり11」の後のエピソードになりますが、義仲戦記シリーズは、独立して読めるように作成しています。

~ 信濃源氏・長瀬義員が見た義仲 ~

「どなたか…!
どなたかわかりませんが、お助けいただきありがとうござ…ああっ!?」

義仲様を見て号泣している妙齢のご婦人を見て、俺も巴殿も、みんなわけがわからずあっけに取られていた。
そこに俺たちと同じぐらいの年の

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義仲ものがたり #10

~信濃源氏・長瀬義員が見た義仲~

 信濃源氏・長瀬義員は木曽義仲の幼なじみであり、少々頼りない所もあるが信頼される家臣の一人である。
 義仲は長野市で初戦・市原の合戦に勝ち、次の戦の相手は越後国の城氏ではないかと見当をつけている。そのため兵力拡大を目指し亡き父の家臣がいた上野国への進出を検討していたところ、信濃国へ義仲への伝令がひとつもないまま甲斐国から武田・一条の軍勢が侵入した。その上義仲と均

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義仲ものがたり #9

~信濃源氏・長瀬義員が見た義仲~

■前回までのあらすじ
 木曽義仲は木曽谷で育ち、諏訪社、上田・佐久平の滋野一族、安曇野の仁科氏らと結び勢力を広げていた。平家政権下でも信濃国はその影響を受けることなく平穏な日々が続いていた。
 しかし以仁王の挙兵をきっかけに状況は一変、平家をかさに笠原頼直(中野市)が挙兵を画策、義仲はそれに備えて、綿密に計画を練り、善光寺平での市原の合戦に勝利した。
 千曲川を

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