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義仲ものがたり

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の進度に合わせて公開していく、義仲館オリジナル義仲ストーリー。600か所以上に及ぶ伝承地をふまえた展開をお楽しみください。
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記事一覧

義仲ものがたり 第3話

大祝 金刺盛澄神域って不思議だよなーって思う。
歴史の古い神社に来ると特に強く感じる。
背筋が伸びるような清々しい空気が漂っているのだ。

とはいえ、今日は、清々しいを突破した、ピリピリした痛いぐらいの空気になってるけども。

俺、長瀬義員は信濃国一ノ宮諏訪社にやってきた。
小県郡から和田峠を超え、眼下に青く輝く諏訪湖が見えてきたときは無性にウキウキした気分になったが、先を行く義仲様の淀んだ気配に

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義仲ものがたり 第二話

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の進度に合わせて、木曽義仲軍勢の「その時」を伝承をもとにストーリー仕立てでお届けする企画です。

俺は長瀬義員俺は長瀬義員。
義仲様の遠い親戚で、ご近所さんだ。
結構信頼されてるのかなとは思ってるけど、だからと言って修羅場にご同行はごめん被りたい…けど断れずに、すごすご義仲様のお世継ぎの顔を見に、巴殿と三人で月夜の下を歩いているところだ。

■前回までのあらすじ
木曽

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義仲ものがたり 第一話

瀧にうたれる男滝にうたれている男がいる。
歳のころは20歳に満たないぐらいだろうか。
がっしりとした肩に流れは絶え間なくそそぎ、無数の水飛沫が太陽の光を反射してまぶしい。
男の表情は清流の壁に阻まれて見えないが、
たくましい背中からは、迷いのない信念が伝わってくる。

その背中を木陰からひっそりと覗いていたのは長瀬義員だ。
信濃国筑摩郡の南のはずれに所領を持つ信濃源氏・長瀬氏の嫡男である。

例え

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